2010年3月28日日曜日

シンプル

シンプル

ある晩台所で、一人ちびちび日本酒(ふなぐち菊水一番しぼり)を呑んでいる時、何かつまみになるものがないかと見回すと、調味料の棚が目に入ってきた。

夜も遅いし食べるものは身体に悪いから、それに代わるものと思って見ていたら、塩の存在が気になってきた。

日本酒と塩という組合せは、美味しく酒をいただくシンプルな方法だ。

昔はよく塩を舐めながら呑んだものだ。

そこで、郷愁に浸りながら久しぶりに塩を舐めながら呑むことにした。

しかし、その塩の付近にあったSBの「黒ごましお」やクレージーソルトが気になってきた。

同じ塩系の調味料だから酒に合うかも知れないと思い、この際だから実験することにした。

まず、SB食品の「黒ごましお」だが、これにはアミノ酸をはじめ様々な添加物が入っている。

舐めるとアミノ酸の味が強く、酒のつまみとしてコンビニなどで売られている菓子類を食べているような感覚になった。

癖になる味だ。

やはりこの手の調味料は「麻薬」だ。

クレージーソルトは料理に使うには絶品だが、酒のつまみとして舐めるには論外の味だっだ。

ついでに醤油を試した。

美味い。

味噌も試した。

これも美味い。

自分が食べている塩や醤油、味噌は生協から購入しているのだが、生産者や原料が分かっているものばかりだ。

とてもシンプルな調味料だが、それ故か、酒のつまみにも最適だということを再認識した晩だった。

素朴で単純なものが一番良いんですよ。

食や味の基本をしっかりと自分の身体に覚えさせること、これ基本ですね。












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2010年3月21日日曜日

賞味期限

先日、あるクライアントさんと打合せする中で、そのクライアントさんが開発・試作したけど陽の目をみなかった設備機械があるという話になった。


それは、コンビニ弁当の賞味期限を延ばす包装・特殊ガス充填機械だった。


ある大手メーカーと組んで、数億のお金をかけて開発し、売り込みに行ったが全く売れなかったという話だった。


売れない理由は簡単で、消費者は賞味期限の長い弁当は買わないからだ。


だからコンビは、店舗の近くに製造工場を持ち、出来たての弁当を配達、できるだけ早く売り切る、という販売方法をとっている。


食品偽装事件の頃に開発をしたようだが、コンビニ弁当に関しては完全にマーケティングの失敗だと認めている。


ここから現代のある食事情が見えてくる。


消費者は食の安心・安全に関心があるものの、その食品を構成する要素(食材や添加物)よりも賞味期限を気にしている。


だから販売者もそのニーズに合わせて販売戦略を立てている。


賞味期限が切れれば、まだまだ食べられるものでも平気で廃棄する販売者。


そのコストが上乗せされていても、賞味期限を気にして買う消費者。


しかし、できるだけ安く作るように要求される製造者。


この関係は正常な関係だろうか?


何かが違うという違和感を感じてしまう。


まず、弁当は自分で作れば良い。


時間がないとか一人分は難しいとか言い訳が聞こえてきそうだが、食の安心・安全を言うなら先ず自らの食生活習慣を改めるべきだ。


ここに消費者の我儘がある。


販売者は利益優先だから、一応消費者向けに美味しいもの、栄養バランスのあるものという大義名分を掲げて弁当を開発するだろうが、彼らにとってそれは食品ではなく、単なる工業製品なのだ。


売ること、利益を上げることが最優先で、食の無駄は必要経費と考えているのだろう。


低コストで作ることを求められる製造者はかわいそうだ。


結局しわ寄せは製造現場に行く。


農業も漁業も同様だ。


消費者は消費期限を気にするより、添加物などの内容物について気にした方がよい。


そして、本当の意味で安心・安全な食品を手に入れ、作れるものは自分で作るという食習慣を持つべきだろう。


食品を売る製造・販売者にとって、食品は商品・製品であることが優先していることを忘れてはならない。













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2010年3月7日日曜日

現代食は麻薬

2009年1月20日に糖尿病宣告を受けて以来、食事療法に専念し、一種のカロリーダイエットを実施してきた。


結果1年で15キロほど体重減、体脂肪率その他も改善し、極めて健康な状態となっている。


(問題は、全ての服が着られなくなったこと:ウエスト91センチから約80センチへ))


食事も家族とは別にしており、カロリー・栄養の管理は全て自分でやっている。


ただ、時折家族と家で食べることも外食することもあるが、その時のカロリーを概算すると(自分で料理しないので概算となる)、現在の日常カロリー(約2500キロカロリー/日)を大幅に上回る数値となる。(3000は軽く超える)


1年前はこのような生活が日常だったのだと思うと、冷や汗が出る。


食事療法開始当時はお酒も止めていた。


最近では自分の摂取カロリー範囲内で、計算しながら呑むようにしている。


無理なことは長続きしないし、精神的にも良くないと思うからだが、それでも知り合いからはストイックだと言われている。


しかし、糖尿病の合併症などを考えると、その方が恐ろしくてキチンと管理したくなる。


最近、ちょっと酒量が増えてきたが、それにつれてこの数日、昔の「目で食べる習慣」が蘇ってきた。


お酒のツマミとなるナッツ類など塩味がほどよく効いたものは、なかなか止められなる。


コンビニで売っているツマミ類などはほとんどが高カロリーで、自分に食べられるものはない。


この手の商品は一度食べ始めると止められない仕掛けがある。


それは味付けだ。


糖尿病発症までの長い間、この味に親しみ、脳が記憶してるため、ちょっとした気の緩みで一度たががはずれると、ずるずると「目で食べる習慣」に戻ってしまう。


いまの自分は「健康と病気のどちらを選択するか」と問われれば、「健康」と答えざるを得ない状況にあるので、「目で食べる習慣」から「頭で食べる習慣」にシフトしなければならないのだが、時折昔の記憶が邪魔する。


糖尿病は不可逆性の病気だという。


つまり、現状よりは良くはならないのだ。


だからキチンとした自己管理が求められる。


つまり「頭で食べる習慣」しか選択肢がないのだ。


それを邪魔する現代食は麻薬のようなものだ。



弁当庵



 

2010年2月28日日曜日

無駄にして欲しくない

先日、クライアントと仕事の打合せで湯河原のJAに行った。

クライアントが湯河原で運営している宿泊施設で柑橘類を販売するための打合せだった。

湯河原では1年を通じて柑橘類が楽しめる。

そろそろ温州みかんは終わりだが、その後にはゴールデンオレンジ(※)、湘南ゴールド(神奈川県が開発したミカンで、ゴールデンオレンジと温州みかんの掛け合わせ)、甘夏柑、伊予柑、ネーブルなどがでてくる。

※ゴールデンオレンジも生産量が少ないミカンで、伊豆から根府川にかけての地域でしか手に入らない。

あるミカン農家から聞いた話では、温暖化の影響か、いまは神奈川あたりの気候がミカン栽培には適しているらしい。

そんな地元の特産品を地元の宿泊施設で積極的に販売しようという企画のための打合せだった。

その席上、JAのセンター長が言った言葉が気になった。

「農家が丹精こめて作ったものだから、無駄にして欲しくない」

これは売れないのに無理して仕入れて、腐らせるようなことはしないでくれ、という文脈で出てきた言葉だった。

センター長自身も農家で、ミカンを栽培をしているようだった。

まさに、生産者の言葉だ。

食材は小売の現場に出てくると単なる商品に過ぎないが、生鮮品は命ある食材だから、ありがたく頂くという気持ちを忘れてはならない。

弁当庵
 

2010年2月21日日曜日

認知症予防と料理

先日テレビを見ていたら、ある病院の先生が、認知症を予防するいくつかの日常的な行動というのを紹介していた。

10数項目あったような気がするが、その中で興味を惹いたのが「料理をする」という項目だった。

その先生は、料理はクリエイティブな行動だから脳を刺激して認知症になるのを防ぐというのだ。

確かに「料理」という行動はとてもクリエイティブなことだと思う。

クリエイティブであるが故に、ゼロから創作するのが難しく、人のレシピーを頼りにする。

だから数多の料理本が発行され、料理に関するインターネットサイトも人気があるのだろう。

自分でゼロから考えて料理すると言うのはかなり難しいものだ。

何か雛形があって、それを自分なりにカスタマイズするというのでさえ、難しい作業だ。

しかし、それだけに、イメージしたものが料理されて器に盛られ、食べて美味しかったら、これほど嬉しいことはない。

料理をあまりせずに、出来あいの惣菜やインスタント食品、外食等で多くの「食事」を済ますのはモッタイナイことだ。
素人でもクリエイティブなことが楽しめ、ある意味「アーティスト」気取りになれる「料理」にもっともっと取り組むべきと思う。

定型や定番、基本はあっても、それにこだわらずに料理するのも面白いものだ。
失敗しても、どうせ責任をとって食べるのは自分だから。
怖いものはない。

弁当庵
 

2010年2月13日土曜日

「インスタント」という悪魔の囁き

インスタント食品というものがいつ頃作られたのか知らないが、現代の食生活には不可欠な存在となっている。



そもそもインスタント食品というものの定義はあるのだろうか?



何をもってインスタントというのか。



ウィキペディアには、「インスタント食品とは、簡単かつ短時間の調理で食べられるように加工され、かつ保存性を持たせた食品。「即席食品」とも言う。」とある。



また、「乾燥した穀物を加熱して作るはったい粉や、加熱した穀物性食品を乾燥して作る糒は、インスタント食品の走りともいうべきものである。他にも湯を加えるだけで食べられる食品としては葛湯や蕎麦掻きなども古くから存在する。」とある。



保存性を持たせた食品という意味では、人間の知恵を感じるし、その必要性も理解できる。



しかし、化学調味料や添加物が入り、食べることが習慣化するようなインスタント食品はなるべく避けたいものだ。



「インスタント食品」が便利なのは分かるが、日常化すると大切なものを忘れてしまう気がする。



例えば出汁をとるような場合、昆布やカツオ節から簡単に取れるにもかかわらず、粉末や顆粒状のものを使うようになると、料理の楽しさ、面白さ、創造性が欠如した日常になってしまい、無意識のうちに、「食」というものを本質から考えることをしなくなってしまうような気がする。



人間、楽な方がいいに決まっているが、料理するときは、可能な限り最低限の手間をかける習慣は持っていたいものだ。



悪魔の囁きとの戦いが続く。

弁当庵
 

2010年2月7日日曜日

伝統回帰

不祥事が続く相撲界では、貴乃花が新しい理事に就任し改革が期待されている。

改革と言うより、伝統を持つ本来の相撲界への回帰という印象だ。

なぜ相撲界がここまで堕落したのか、門外漢の自分には皆目分からないが、常識的にみて、自浄能力が欠落した滅茶苦茶な業界なのは確かだ。

伝統という言葉は使うものの、保身のために都合よく使っているに過ぎないのは明らかだ。


「伝統」とは何だろうか?

ある伝統芸能の世界での話だと記憶しているが、伝統とは「守 破 離」だという。

ネットで調べると「道」が付く世界では当たり前の考え方のようだ。

相撲も相撲道だと言われるが、果たしてこの「守 破 離」があったのだろうか?

単なる利益目的業界でしかないような気がする。


さて、この「守 破 離」を現代の食生活に当てはめてみよう。

当然、食にも伝統はある。

その伝統は日常の食生活の中に生きているのだろうか? と、ふと考えてしまう。

御節や七草など節目節目で伝統的な食習慣は残っているが、その意味するところが理解され、日常的なものになっているのか疑問だ。

生活があまりに便利な方向にシフトする中、手間のかかることは敬遠される。

伝統とは手間のかかるものなのだ。

実態とは別に形式が重んじられるから、何事も「携帯」的になりつつある現代では、一部の人のものだけかもしれない。

相撲と同じで、伝統をないがしろにすると、大きなしっぺ返しが待っている。

弁当庵