筆者が小学校に入学するかしないかの時代、今から40数年前の頃、父親に手を引かれて酒屋へ行った記憶がある。
父親の片手には空瓶が握られているシーンが記憶にある。
空瓶をもって、酒を買いに行ったのだ。
当時は、米や味噌、醤油など日本人に必須の食材や調味料を中心に、ほとんどの食糧が量り売りだった。
味噌や醤油などは近所での貸し借りもあったりした。
国全体がまだまだ貧しくて、余分に買い置く余裕などない時代だったのだが、いまの時代から見ると、量り売りは無駄が無く合理的な仕組みに思える。
コンビニ弁当の廃棄が一時期問題になったが、「売る」ために消費者への心理的な効果から廃棄分を見込んでいる、というような昔なら信じられないような商いが一般化している。
その点からみても、「食」への考え方、商いの取り組み方がまったく違っているような気がする。
物がない時代は、全てが「ありがたく頂く」対象だが、現代のようになんでも手に入るような状況にあると、食糧ですら、工業製品化して商売の効率重視の対象となってしまうのだ。
一時、「もったいない」という言葉が復活したが、あまり定着してないような気もする。
現代は高齢化社会、男女共同参画の時代だからか、惣菜など出来上った食品の量り売り(もどき)はあるが、食材のような素材からの量り売りはほとんどお目にかからない。
一部の商品やこだわりのある生産者は、量り売りもしているようだが、日常目にすることはほどんどない。
復活して欲しいライフスタイルなのだが…。

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