2010年1月31日日曜日

「目」で食う人々

あなたは「目」で食べますか?

それとも「頭」で食べますか?

ひと昔前は、一部の階級を除いて、食べられるものが限られていたため、手に入るものを大切に食べていた。

そして、現代、飽食と言われて久しいが、棄てるほどの食糧が身の回りにあり、溢れるばかりの広告や口コミ、口コミもどきの情報に振り回され、食糧のありがたさも、「食」が身体に及ぼす影響も考えずに、欲望のまま食べていないだろうか。

最近では、生活習慣病など、医療面から指摘される問題から食への改善が求められ、薄味を広めようと、味覚革命ということを言う専門家までいる。

しかし、それはまだまだごく一部で、消費者も「食」を売る人達も、その多くは「欲望」を原点にしている。

それが「目」で食う人々だ。

一方、食糧の問題を生産や流通面だけでなく、個人の健康面からも捉えて、何を食べ、何を食べないか、ということを考える食生活をおくる人達もいる。

それが「頭」で食う人達だ。

いま求められているのがどちらの人達かは、明白だろう。

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」(パンセ)

だそうな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
弁当庵

2010年1月24日日曜日

梅干し

海外旅行に行く時、必ず持っていくものに梅干しがある。


体調を崩した時や疲れたとき、梅干しがあると便利だからだ。


そんな時は、つくづく日本人なんだなと感じる瞬間でもある。


体調に問題ないときは現地食をなんでも食べるのだが、熱を出して寝込むような状態になると、味噌味のものと梅干しが欲しくなるのだ。


子どもの頃から、毎朝母親が作った味噌汁を食べていたが、ろくな動物性たんぱく質が無い時代でも、健康に育ったのは大豆のお陰だと思っている。


味噌や納豆、梅干しがあれば、自分の食生活は充分満たされると思っている。


仕事場の冷蔵庫には味噌(3種)と納豆は常備している。


梅干しも充分在庫を持っている。


あとは玄米があれば充分だ。


日本の味の基本形がそこにはあると思う。


人によっては育った地域や家庭が伝える漬物の味もあるだろう。


それらは単に食の問題ではなく、心の問題でもある。


海外で体調を崩した時の味噌や梅干しは、精神的にホッとさせてくれるものだ。


別な言い方をすれば、心を癒してくれる日本の味だ。


今の子ども達に、記憶に残り、心を癒してくれる日本の味はあるのだろうか?
 

2010年1月16日土曜日

量り売り

筆者が小学校に入学するかしないかの時代、今から40数年前の頃、父親に手を引かれて酒屋へ行った記憶がある。


父親の片手には空瓶が握られているシーンが記憶にある。


空瓶をもって、酒を買いに行ったのだ。


当時は、米や味噌、醤油など日本人に必須の食材や調味料を中心に、ほとんどの食糧が量り売りだった。


味噌や醤油などは近所での貸し借りもあったりした。


国全体がまだまだ貧しくて、余分に買い置く余裕などない時代だったのだが、いまの時代から見ると、量り売りは無駄が無く合理的な仕組みに思える。


コンビニ弁当の廃棄が一時期問題になったが、「売る」ために消費者への心理的な効果から廃棄分を見込んでいる、というような昔なら信じられないような商いが一般化している。


その点からみても、「食」への考え方、商いの取り組み方がまったく違っているような気がする。


物がない時代は、全てが「ありがたく頂く」対象だが、現代のようになんでも手に入るような状況にあると、食糧ですら、工業製品化して商売の効率重視の対象となってしまうのだ。


一時、「もったいない」という言葉が復活したが、あまり定着してないような気もする。


現代は高齢化社会、男女共同参画の時代だからか、惣菜など出来上った食品の量り売り(もどき)はあるが、食材のような素材からの量り売りはほとんどお目にかからない。


一部の商品やこだわりのある生産者は、量り売りもしているようだが、日常目にすることはほどんどない。


復活して欲しいライフスタイルなのだが…。


2010年1月10日日曜日

カロリー表示のススメ--その2

(12号から続く)

前置きが長くなったが、カロリーコントロールした食生活の実行というのは大変なのだ。

自分で料理する場合、カロリー表示がない食品が多いことが悩みの種。

外食の場合では、メニューにカロリー表示がないために食べられる範囲が狭いこと。


自分は糖尿病宣告以来、合併症が怖いので自分なりにキチンとカロリー計算した食事をしてきた。

前述したように加工品の類や外食系に関しては、カロリー計算が難しいことが多々あるので、できるだけ自分で調理・料理するようにしている。

素材から計算する分にはキッチンスケールと表計算ソフト、カロリー計算のガイドブックがあれば問題ない。

自分にとってはこの3点、3種の神器だ。

毎月通うクリニックで管理栄養士さんと話したとき、自分自身で生真面目にカロリー計算して食事をしている人間は珍しいらしい。

生来ズボラな性格だが、合併症の恐怖があるから、ことカロリー計算に関しては真剣に取り組んでいる。

しかし、先にも書いたように基礎となる食品のカロリー情報が少ないのが現状なのだ。

身の回りに、もっと当たり前にカロリー表示・情報があれば、糖尿病患者だけでなく、ほかの生活習慣病患者や予備軍の人達、あるいは体重・体型を気にする人達がもっと気軽にカロリーを意識した食生活をおくれると思うのだが。

時々思うのだが、巷の食品全てにカロリー表示が実施され、国民の多くが意識するようになったら、商売上がったりだろう。

カロリーを意識してる人間なんて、砂漠の中の針数本か、大海に漂う数個の木片程度か。

2010年1月4日月曜日

カロリー表示のススメ--その1

自分は糖尿病患者である。

2009年1月に宣告されてから、ひたすら食事療法に取り組んでいる。

お陰さまで、とりあえず現在のところ薬は処方されていない。
(処方されいた薬は武田薬品のアクトス)

食事療法だけでなんとかなっている。

◎食事療法とは…

具体的に言えば、カロリー制限した食事のことだ。

糖尿病患者用食事(病人食とも言うようだ)のカロリーは1日1600キロカロリー。

多くの人達は、自分が摂れるカロリーを知らないだろうが、現代生活で普通に生活していると、必要摂取カロリーの1.5倍から3倍程度は摂っている。

試しに一度計算してみるといい。

その膨大な数字に驚愕すること請け合いである。

参考までに適正エネルギーの計算式を記載するので、是非ご自身が摂取すべきカロリーをご確認願いたい。

身長(m)×身長(m)×22×身体活動レベル(※)

「身長(m)×身長(m)×22」が標準体重といわれる数値

※身体活動レベル
1)低い(25~30キロカロリー)
①歩行は1日に1時間程度
②軽作業やデスクワークが中心の生活
③事務職の方、小さなお子さんのいない主婦の方など

2)ふつう(30~35キロカロリー)
①歩行は1日に2時間程度
②立ち仕事が中心の生活
③製造業・サービス業に従事されている方、小さなお子さんのいる主婦の方など

3)高い(35キロカロリー~)
①重い肉体労働が1日に1時間程度
②農業・漁業・建設業に従事されている方など

自分は身長が177センチで、身体活動レベルが1)と2)の中間程度なので次のようになる。

1.77×1.77×22×30=2067.7キロカロリー

糖尿病になる前の摂取カロリーは分からないが、現状から推測すると、4000キロカロリー前後はあったと思われる。

糖尿病宣告から半年ほどの平均摂取カロリー/日は1850だったが、現在では2300程度といったところ。

それでも体重は下がり(メタボ解消:15キロ減))様々な検査数値が良くなった。

太っていることは良くないようだ。

しかし、ここで問題がある。

前置きが長くなったが、カロリーコントロールした食生活の実行というのは大変なのだ。

自分で料理する場合、カロリー表示がない食品が多いことが悩みの種。

外食の場合では、メニューにカロリー表示がないために食べられる範囲が狭いこと。

(この項続く)











お勧めサイト:カロリーダイエット
calorie-diet.org